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外貨預金、2つの損益の計算方法 (金, 17 3月 2023)
たとえば、外貨建ての 年利5.0%、1年満期の定期預金に、 日本円に換算して100万円預けたら、 1年後の満期を引き出したら、 日本円に換算して105万円、 手元に戻ってくるとは限りません。   さらに日本円で、 120万円になることもあれば、 元金を割って、 90万円になることもあります。   なぜそのようなことが起こるのでしょう?   今回は、外貨建ての定期預金の基本と 2つの損益の計算方法について、 お伝えします。   今回の記事では、 税金については勘案していません。 また、小数点以下は切捨てて計算します。     この記事の構成は次のとおりです。 ・外貨預金で知っておくこと ・外貨預金の預入2つの収益の計算方法 ・収益の確認   --------------------------- 外貨預金で知っておくこと ----------------------------- 外貨で定期預金をするとき、 冒頭の例のように、 預け入れる資金(元金)の保証はされません。   また、日本円で預金をしても、 その国の通貨で運用していくために、   たとえば、 日本円と米国ドル間で、 円高円安、ドル安ドル高といった 為替のリスクがあります。   また、運用する国の景気がよく、 通貨の価値が上がる。 反対に、運用する国内外と紛争が起き、 その国の通貨の価値が下がる。   といった地政学的なリスクもあります。   外貨預金を始めるときは、 日本国内で日本円建て預金するのとは ちがうことを知ることが大切です。   ------------------ 外貨預金の預入 ------------------ ここからは、より具体的に、 Aさんが、ある銀行の、   「米国ドル建て、6ヵ月満期定期預金、 年利息5.0%」に、   10,000米ドル預金すると仮定して、 はなしを進めます。   まず、Aさんは、 この外貨定期預金を扱っている銀行に、 10,000米ドル預金するのに、 日本円でいくら必要か確認します。   外貨預金をするときは、 預ける銀行ごとに、 次の為替レートを定めています。 ・TTS(預入時:Telegraphic Transfer Selling rate) ・TTB(満期時・引出時:Telegraphic Transfer Buying rate) ・TTM(店頭に表示される基準レート:Telegraphic Transfer Middle rate)   Aさんの確認した日の米国1ドルは、 TTM:125円、TTS:124円、TTB:126円でした。   従って、Aさんは日本円で、 124円×10,000米ドル=124万円 ① 用意することになります。   なお、銀行は、 TTMとTTS、TTBとの差を、 顧客が外貨を購入また売却するとき、 手数料として顧客に請求します。   銀行からみて、 TTSは円を売る、TTBは円を買う、 高く売って安く買う、 従って、TTMが変動しても、 常に、TTSはTTBより高い金額です。   また、この手数料は銀行ごとに違います。 同じ銀行でも、キャンペーン商品と 通常の商品では違う場合もあります。   ---------------------- 2つの収益の計算方法 ---------------------- 次にAさんは、6ヵ月後に この定期が満期になった時のことを考えます。   ・日本円での預金額(上記の通り) 124万円 ①   ・外貨での預金額 10,000米ドル ②   ・満期時の米ドル預金利息額 10,000米ドル×5.0%×184日(3月から6カ月間)/ 365日=252米ドル ③   ・利息額を円換算する 6か月後定期預金が満期になった時、   <TTMが、預金時より10円、円安になれば>   TTM:135円、TTS:134円、TTB:136円として、   136円(TTB)×=252米ドル ③=34,272円 ④   34,272円の収益が発生します。   <TTMが、預金時より10円、円高になれば>   TTM:115円、TTS:114円、TTB:116円として、   116円(TTB)×=252米ドル ③=29,232円  ⑤   29,232円の収益が上がります。   また、預入時より満期時に円安になっていれば、 為替差益も発生します。   上記の場合、 満期の時のTTB136円-預けるときのTTSが124円= 12円/1米ドルです。   12円×預入外貨元本10,000米ドル ②=120,000円 12万円の為替差益が発生することになるのです。   このように、机上の理論ではありますが、 外貨預金では、 2つの収益が上がることが期待できます。   しかし、満期に円高になるなど、 損失になるリスクもあり、   今回の記事は、損益の計算方法と言えます。   -------------- 収益の確認 -------------- 上記で計算したように、   利息は為替レートのよって、 ④や⑤のような収益が生まれます。   ただし、利息には円預金と同様に、 約20%の源泉分離課税が適用されます。   また、為替差益も収益が上がれば、 雑所得として、原則確定申告が必要になります。   この分の納税額を差し引いた後の金額が、 収益として確定するのです。   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:* ◆  今週のポイント *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*   外貨預金をするには、   円預金をするより手間がかかり、   リスクが大きい分、   損益のブレも大きくなります!   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ◆ 編集後記 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:   外貨の定期預金をしなくても、   単に預金するだけも、   為替の損益は生じます!   人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第533号) Photo by photo ac 「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です
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「セカンドライフ」20年前から始めること   (Fri, 10 Mar 2023)
退職を目の前に控えて、 また退職後に「セカンドライフ」、 これからの生活設計の相談にみえる方がいます。   そのタイミングはちょうど良かったのか、 もう少し早くから準備しておいた方が良かったのか、   それこそ、その方の人生の考え方で違います。   しかし、あきらかにもう少し早くから、 人によっては、 20年位前から準備を始めておいた方が 良いこともあります。   そこで今回は、 「セカンドライフ」を迎える直前ではなく、 余裕をもって、できれば20年位前から、 準備を始めた方が良いことを お話しいたします。   この記事の構成は次のとおりです。 ・「セカンドライフ」の収入支出額の減少に期待はしない ・ 生活を描く ・ 家計収支での対策 ・ 資産形成も大切   ---------------------------- 「セカンドライフ」の収入 ---------------------------- 何歳から「セカンドライフ」を過ごすかは、 その人の人生設計によります。   ただし、「セカンドライフ」の 選択をするには、   老後の家計の収入がポイントです。   その主な収入として、   老齢厚生年金や老齢基礎年金(国民年金) といった公的年金です。   勤め先からの退職金や企業年金のある 人もいるでしょう。   公的年金は、原則65歳からもらえます。   もらえる金額、受給額がいくらか、 おおよその受給額や年金の加入年月は、   毎年、誕生月に日本年金機構から郵送される、 「ねんきん定期便」や この機構のサイト「ねんきんネット」で、 確認することができます。   また、退職金や企業年金も勤務先で、 確認すれば良いでしょう。   なお公的年金の受給額は、毎年かわります。 しかし、大きく変動することはありません。   従って、「セカンドライフ」の準備をするために、 最初にしておくことは、 容易に確認できて、生活していく上で重要な、 「セカンドライフ」の収入を 知っておくことです。   ------------------------------- 支出額の減少に期待はしない ------------------------------- また、年を取れば、 確かに食費などは減少するかもしれません。   しかし、食費が無くなることはありませんし、 衣食住の支出は生涯にわたり必要です。   また、国民年金は、 60歳までで保険料の納付が終わります。   しかし厚生年金は、 厚生年金に加入して勤めていれば、 70歳まで保険料を納付します。   それに、介護保険を含む健康保険料は、 生涯納付します。   従って、現在の家計支出から、 ・子どもの教育費の負担がなくなる ・子どもが独立して家を出ていく ・住宅ローンを完済した といった支出は減るでしょう。   しかし、それ以外は大幅に、 家計の支出の減少は期待できません。   従って、「セカンドライフ」の家計の支出額を、 現在とほぼ同程度と考えて、 今から把握しておくことも大切です。   ----------------- 生活を描く ----------------- また、「セカンドライフ」を過ごす期間は、   60歳や65歳、70歳からやそれ以降と、 人によって違います。   終わりは本人でもわかりません。   「セカンドライフ」をどのように過ごすのかは、 その人が決めることです。   65歳に退職しその後は、 なにをするのか、綿密に予算を立てて、 決めておく人もいます。   また、65歳になったら、 今の務めを退職して、それから決める。   と言って、65歳で退職して、 70歳を過ぎても、 なにをすることもなく毎日を過ごす。   持ち家があり、住宅ローンも完済して、 高額な買い物をすることも、 大病を患うこともなく、 家計収支のバランスは取れていて、   何も不自由な生活はしていない。   という人もいるようです。   どちらの生き方も人生でしょう。   しかし、「セカンドライフ」では、 これはといった お金を使うことはなくても、   明らかに現役時代より ・家計収入が減ることが分かっている ・それを補う貯蓄などもない   このような人こそ、 「セカンドライフ」をどのように過ごすか、 今から考えておくことが必要です。   ----------------- 家計収支での対策 ----------------- 「セカンドライフ」に入ってから、 家計の収入を増やすには、 通常、年金だけでは難しいです。   従って、現役中から考えておくことです。   副業を始めるのもそのひとつです。   また、家計の支出は、上記に記載通り、 「セカンドライフ」に入ってからも、 大幅には減らないでしょう。   家計の支出を減らしていくには、 今から支出の見直しをして、 減らした生活に、 慣れておくことです。   いつからでもできることだから、 なにも「セカンドライフ」の20年前から、 始めることはない。   と思っても、多くの方は今までの経験から、 収入を増やしたり、 支出を減らすことは容易ではありません。   できることから始めてもいいでしょう。   支出を減らすことも、 そのうちのひとつです。   ------------------ 資産形成も大切 ------------------ もちろん、 資産を形成することが大切なことは、 言うまでもありません。   ・銀行への預貯金 ・株式、債券、投資信託といった投資 ・不動産運用 ・個人向け国債の購入 ・NISAやiDeCoといった税制優遇制度を利用して、 比較的値動きが大人しい投資信託の商品などに、 投資   といった方法もあります。     *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:* ◆  今週のポイント *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*   「セカンドライフ」は、   収入、支出、貯蓄のバランスを考慮して、   自分で作るものです!   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ◆ 編集後記 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:   今現在のような家計からの支出は   歳を取るとできなくなる!?   その対策をすることが、   「セカンドライフ」を快適に過ごすために、   一番大切なことかもしれません!   人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第532号) Photo by photo ac 「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です
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「貯蓄から投資」対応できる人の理由 (Fri, 03 Mar 2023)
かれこれ20年位前でしょうか、 筆者がFP事務所を開設したころ、 貯蓄から投資へとよく言われていました。   昨今、岸田政権になってから、 また、よく聞くようになりました。   しかし、銀行の預貯金、 保険の商品の一部を除いた、   ほとんどの金融商品は、 投資した資金(元本)が、 元本を割込むこともある、 つまり、元本が保証されてはいません。     とはいっても、特に若い世代を中心に、 「NISA」「iDeCo:個人型確定拠出年金」の 税制優遇制度を利用して、 資産形成をする人も増えてきたようです。   そこで今回は、 「貯蓄から投資」対応できる人には、 どのような理由があるのか? 探っていくことにします。   この記事の構成は次のとおりです。 ・投資をしてお金を増やす ・元本の保証がない投資とは ・元本保証のない投資ができる条件 ・投資を実践するためには   ---------------------------- 投資をしてお金を増やす ---------------------------- 収入を得て、 銀行の預貯金口座に入ったお金を さらに増やすには、 お金にも働いてもらうことが必要です。   お金に働いてもらうには、 ・株式や投資信託といった金融商品に投資 ・不動産に投資 ・金などの現物商品に投資 といった投資をする方法があります。   その他にも、 競馬競輪といったギャンブルや、 宝くじを買うなど様々な方法があります。   しかし、これらに投資をするお金の元本は 保証されていません。   また、収益を得たときには、宝くじ以外は、 税金がかかります。   なお、冒頭でお話したNISAやiDeCoで、 金融商品を運用して得た収益の税金は 優遇されていますが、 投資した元本の保証はありません。   -------------------------- 元本の保証がない投資とは -------------------------- 100万円投資した株式の株価が、 110万円になったときに売却すれば、 10万円の収益が上がります。   しかし、約20%の税金と 証券会社への手数料が、 収益の10万円から引かれます。   また、株価が元本を割って、 90万円になっていたときに売却すれば、 10万円損をします。   この株価の10万円収益か損失を出すかのブレを 「リスク」といいます。   金融商品を購入するときは、 この「リスク」を考慮して購入します。   従って、 「リスク」の低い銀行の預貯金は、 元本が保証されている。 しかし、収益は望めません。   「リスク」が高くなっていけば、 その分、損益の幅もでてきます。   従って、 リスクの高い金融商品を購入するには、 リスクに見合う資金を所有していることが、 条件になります。   その条件には、 投資した額が元本を割るようなときは、 いくらまでなら許容できるか、   自分の資産を知っておくことも含まれます。   ------------------------------- 元本保証のない投資ができる条件 ------------------------------- 株式投資をするなら、 たとえば、 購入しようとしている会社が、 取り扱っている商品に、 最近、特許が取れて、 今後独占的な販売が見込める。   といった、その会社の業績が上がって、 それとともに株価も上昇していく、 といった明確な理由を 見つけることができることが必要です。   また、別に株式を購入しようかと、 考えていた会社の株価が、 下降傾向から上昇傾向に転じた時、   その原因は、 市場全体かこの会社だけか、 その理由を分析できることも必要です。   そして、株価が上昇しているときも、 また値が下がっているときも、   このままこの株式を持ち続けるのか、 いくらになったら売却するのか、 その判断ができることです。   この判断が難しいことは言うまでもありません。   このような分析や判断をして、   あと腐れを残さないように、 自らの投資のしかたを決めておくこと。   それが、元本保証のない金融商品に、 投資ができる条件です。   ----------------------- 投資を実践するためには ----------------------- 元本が保証されていない金融商品に投資して、 いつも収益を上げるのは至難の業です。   これから株式投資を始めようと思っていれば、 たとえば、10万円の資金で1年間、 国内や海外の業種の違う数社の 株式を購入して、   株式市場や世の中にどんなことが起こったとき、 購入した会社のどんな情報が報道されたとき、 SNSでうわさが流れたとき、など   各社の株価はどのように反応するか、   研究して、理解出来てから、 本格的に投資を始めてもいいでしょう。   このようなことができる人が、 「貯蓄から投資」に対応できる、 また対応できる理由でもあるのです。   ただし、お金には働いてもらいたいけど、 元本の保証のない金融商品には 手を出したくない。   だから、銀行に預けておいて、 そのお金を使わなければ、 増えもしないけど減らない。   それで私はいい。   このようなしっかりとした ポリシーを持つことも大切なことです。   筆者も否定はしません。   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:* ◆  今週のポイント *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*   ある金融商品に投資をするときの   我が家のその許容額はいくら?     この金額を決めておくことが、   元本保証のない金融商品に   投資するときの鉄則です!   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ◆ 編集後記 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:   手元に100円あったとして、   インフレになり物価が上がり、   100円で買えたものが120円になったら   手元の100円では買えません!   しかし、100円は手元にあるままです   このお金を120円になるように、   働いてもらう方法を考えるのは、   お金を持っている人です!   お金は素直ですので、   言われたように働いでくれます!   人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第531号) Photo by photo ac 「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です
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20年後を考える(住宅購入編) (Fri, 24 Feb 2023)
今、これはいいな! と、すぐに衝動買いをするのではなく、   買ったら20年後はどうなっているだろう? と、じっくり考えてから、 買い物をするとどうなるか、   今回は、住宅を購入するときで考えてみます。   この記事の構成は次のとおりです。 ・住宅を検討している家族の紹介 ・20年後の駐車場 ・間取り部屋の広さに特色がある ・階段 ・20年後を考えて購入する家   ----------------------------------- 住宅を検討している家族の紹介 ----------------------------------- 住宅購入を検討しているのは、 Aさんファミリーです。   夫:40歳(会社員) 妻:40歳(パート) 子どもは中学2年生と小学校6年生のふたりです。   A夫婦は、事前にシミュレーションして、   20年返済の住宅ローンを組んで、 滞りなく返済が可能であろう、 4,000万円前後の新築の戸建ての建売住宅を、   住宅販売業者の担当者と一緒に、 3軒見学して、 自宅に帰ってきたところです。   A夫婦は、見学した住宅を購入したら、 20年後は、どんな生活をしているのかを 考えてみることにしました。   ------------------- 20年後の駐車場 ------------------- 3軒とも、1台分の駐車スペースは 確保されていますが狭いです。   現在Aさんは、ミニバンと小型車を所有して 2台とも駐車場を借りています。   このまま2台とも持ち続けるのなら、   住宅を購入してからは1台分の駐車場を 借りることになります。   その経費は、たとえば、 10,000円(1カ月分の駐車場代)×12ヵ月×20年間 =240万円、   240万円、家計の負担になります。   ただ、これから6、7年間後に 下の子どもが大学に入学すれば、 2台のうち、どちらか1台だけ所有すればよく、   その後は1台分の車検や自動車保険の保険料 といった車の維持費で済むかもしれません。   また、1台の車の買い替えを検討すれば よくなります。   なお、家のまわりは、車をおけば、 いっぱいになり、 植物を栽培したり植木を置いたりする スペースはありません。   ----------------------------- 間取り部屋の広さに特色がある ----------------------------- Aさん夫婦は事前に、 2階に子ども部屋に使える2部屋ある物件を、 と要望していました。   そこで、3軒とも2階建てで、 2階に子ども部屋を確保できる 住宅を見せてくれました。   2階の子ども部屋以外に、 ・リビング、キッチンは3軒とも1階、 ・夫婦の寝室または書斎になる部屋は、1階か2階 ・洗濯機や浴室、脱衣室やトイレも1階か2階   また、各部屋の広さも、 リビングとキッチンスペースも、 壁がなく広い1部屋になっている物件や 仕切られている物件   個々の部屋の広さは狭めでも 部屋が多い物件や、 和室のある物件もありました。   購入後は、すべての部屋を使うことでしょう。   しかし、20年後にはすべての物件ともに、   子どもたちは独立または結婚して、 子ども部屋は、 空き部屋か物置きになっているでしょう。   また、子どもに家族ができ、 2世帯で住むには、スペース的に難しい物件です。   ---------- 階段 ---------- どの物件も階段は急です。   途中に踊り場がある物件や 手すりをつけてある物件もありました。   20年後は、A夫婦とも60歳です。   まだ、足腰が立たず、階段の上り下りが 不自由になる年ではありません。   その後、10年20年と住み続けて、 足腰が立たなくなってからも、 日常、2階との往復が必要な間取りなら、   階段にリフトや、 また家の外に家庭用のエレベーターを設置する といった対策が必要になるでしょう。   しかし、今回見学した物件には、 階段にリフトをつけるスペースはありません。   また、家の外にエレベーターをつけるなら、 自家用車の駐車スペースはなくなります。   もっとも、そのころまで自家用車が必要かは、 疑問の残るところではありです。   ----------------------------- 20年後を考えて購入する家 ----------------------------- ここまで考えてきたA夫婦は、   あらためて、住宅を購入することについて、   夫の通勤や子どもたちの学校、 それに、住宅購入する予算からも、 購入できる地域や価格に限りがある。   また、今、購入すれば、 10年もたたないうちに使わない部屋が出てくる。 かといって、その部屋を賃貸にするにも、 間取り的にむずかしいだろう。   そこで、購入する住宅について、 次の3点で、検討することにしたのでした。   (1)・資産価値のある家、特に地価が下がらない         立地の住宅を購入する        ・20年後は更地にして、購入価格かそれ以上で         売却して、夫婦用のこぢんまりとした住宅を、         終の棲家(ついのすみか)として再度購入する   (2)・購入した住宅の場所を終の棲家する    ・20、30年後、大規模なリフォームが        必要になった時、土いじりのできるスペースを        確保して、        残りのスペースに夫婦用の平屋の住宅を建てる   (3)・現在住んでいる賃貸住宅でも、          立地や間取りで問題ないので、           子どもが独立するまでの約10年間はこの賃貸に住む    ・子どもが独立したら、夫婦用の住宅を購入する   なお、ここでいう夫婦用の住宅とは、 夫婦で生活できるこぢんまりとした 間取りの平屋またはマンションをいいます。    *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:* ◆  今週のポイント *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*   住宅購入といった 高額な買い物をするときは、   机上で考えるより 住宅販売業者に条件をはなして、 それに合致する物件を実際に見てみる   また、めぼしい物件を購入したとして、 その物件に住んで10年、20年またその後を 想像することで、   買ってもいい物件に巡り合うことが、 できるでしょう!   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ◆ 編集後記 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:   住宅販売業者に、   「この物件はほかにも買いたい方が待ってます」   と言われても、   欲しい物件の条件が決まっていれば、   動じることもなく、   目的の物件を射止めることができます!       人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第530号) Photo by photo ac 「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です
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よく相談いただく「お困りごと」解決集 ~4~ <住宅は所有すべきか賃貸でいいのか編> (Fri, 17 Feb 2023)
私のところによく相談いただく 「お困りごと」、いわば みなさまの「お困りごと」についての 基本的な解決策を、 4回シリーズでお伝えしています。   その4回目の今回のテーマは、 「住宅は所有すべきか賃貸でいいのか」 です。   住宅ローンの固定金利が上昇し始めた昨今、 気になる方もみえるでしょう。   また、これまでも、 ・これから結婚する方 ・住宅の購入を検討する方 ・転勤族で今までは社宅に住んでいたが、 定職の年齢に近づき終の棲家(ついのすみか)を、 決めようといった方   といった方にとっても、   住居にかかるお金は、 家計に影響する重要な問題です。   この記事の構成は次のとおりです。 ・持ち家と賃貸の割合は2:1 ・持ち家と賃貸のちがい ・住宅を購入しない選択もあり ・賃貸住宅は生涯の家賃の確保 ・住宅は所有すべきか賃貸でいいのか   ------------------------------ 持ち家と賃貸の割合は2:1 ------------------------------ 「平成30(2018)年住宅・土地統計調査」 (総務省統計局、5年ごとの調査)によると、   日本の持ち家は 3280 万2千戸。 その持ち家住宅率は 61.2%で、 借家率は35.6%と 持ち家と賃貸の割合は2:1でした。   また、同調査では、 高齢者(65歳以上)のいる夫婦のみの世帯では、 持ち家住宅率は87.2%、借家率は12.5%、   高齢単身者では、 持ち家住宅率は66.2%、借家率は33.5%、 といった調査結果も出ています。   ----------------------- 持ち家と賃貸のちがい ----------------------- ここからは、 住宅を所有するのと、賃貸に住むのでは、 どんな違いがあるのか、みていきます。   なお、住宅を所有すること、 つまり持ち家とは、   とくに記載のないところでは、 戸建て住宅と集合住宅(マンションなど)の 区分所有のことです。   <住宅費> 持ち家 ・住宅購入費 ・購入に住宅ローンを組めばその費用や 返済利息が住宅本体の購入用に加算される ・購入時の登記費用や諸税の納付 ・毎年固定資産税、都市計画税を納付 ・(戸建て)修繕費などは所有者が計画的に積立てる ・(マンション)修繕積立金、共益費、駐車代などの  出費が毎月必要   賃貸 ・家賃、(共益費、駐車代など物件による) ・入居時に保証料、敷金、礼金などが必要な  物件もあり   ※持ち家、賃貸ともに、 上記の支出額は、 今後、値上がりする可能性があります。   <室内改装> 持ち家 ・可能(マンションは取決めによる)   賃貸 ・原則不可   <転居> 持ち家 ・持ち家の維持管理が必要、また戻る予定があれば、 その間は賃貸で貸すといった対策が必要 ・手放すなら売却や贈与などの方法を考え 実行する時間が必要になる   賃貸 ・自由にできる ・転居するごとに、引越しの費用や退去の費用、 新居の保証料や家賃など、家賃数カ月分の まとまった費用が必要になる ・高齢者になると入居を拒否される例もあり   <相続> 持ち家 ・所有物件の遺産相続を考えておかないと  所有者が亡くなった後に、相続人の間で争族、  誰も住まなくなった「空き家」の問題が、 発生しかねない   賃貸  ・相続は発生しない   主にこのような違いがあります。   -------------------------------- 住宅を購入しない選択もあり --------------------------------- 筆者のところにも、 現在は賃貸や社宅に住んでいるけど、 今後、住宅購入を考えていると 相談にみえる方がいます。   たとえば、夫婦で相談にみえても、 夫婦お互いに、住宅を購入するのに 前向きだったり、 どちらかだけが気乗りしている という夫婦もいます。   夫婦ともに住宅購入に前向きで、 住宅を購入しても、 家計の収入や支出に問題がなければ、 住宅を所有することに問題はないでしょう。   また、どちらかが気乗りしない夫婦は、   その理由によって、 ・今は、住宅を購入しない、 ・この先も住宅は購入すべきではない といった選択をすることになるでしょう。   気乗りしない理由は、 家庭によって異なりますが、   たとえば、夫婦のどちらかが、 端的に言えば、見栄を張りたくて、 家計の収支が、今後成り立たなくなるような、 住宅物件を購入しようとしているときです。   また、生涯、賃貸でいいと思っている方は、 住宅を所有することはないでしょう。   ---------------------------- 賃貸住宅は生涯の家賃の確保 ---------------------------- 賃貸住宅に住めば、 生涯、家賃の支払いが必要になります。   老後も住むのであれば、 年金などの収入から、 現在の平均余命(※)までの家賃を払っていける、 物件に入居することが重要です。   今までは家賃の変動は少なかったですが、 昨今の物価の上昇で、更新時に、 家賃が、値上がりする可能性もあります。   (※)平均余命の詳細は、 「主な年齢の平均余命」(厚生労働省「令和3年簡易生命表の概要」)をご覧ください。 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life21/dl/life18-02.pdf   ------------------------------------ 住宅は所有すべきか賃貸でいいのか ------------------------------------ 生涯の住宅費を比較して、 持ち家か賃貸か比較する、 複数の記事を読んだことがあります。   この記事の記述に間違いはないでしょう。   生涯の家計収支を把握できれば、 それに見合う物件を探して購入すれば、 持ち家に住むことに問題はないでしょう。   また、住宅を保持管理することが苦手なら、 オーナーや管理会社がいる、 賃貸住宅に住めばいいのです。   今は賃貸でよくても、 将来、住宅を所有したくなることも あるでしょう。   また、反対のこともあるでしょう。   そんな時、どうするかは、 夫婦であれば、 家計に相談して可能であれば実行して、 家計にあまりにも負担がかかるのであれば、 実行は見送ることです。   このように考えてみますと、   「住宅は所有すべきか賃貸でいいのか」 の結論は、   夫婦で、生涯を計画しながら家計に相談して、 夫婦で住みたいところ、 住みたい住宅に住むことです。   その住宅は、 持ち家でも賃貸でも構わないのです。     なお、このシリーズは次のように、 進めて参りました。 1.年金の受給額に間違いはないのか(1回目) 2.退職金で住宅ローンを完済してもいいのか(1回目) 3.NISAやIDeCoと元本割れの心配(2回目) 4.保険に入る本当の理由がいまひとつわからない (前回) 5.住宅は所有すべきか賃貸でいいのか(今回)   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:* ◆  今週のポイント *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*   住宅費は、家計支出の中で、 大きなウエートを占めます   住宅費を削減して、教育費を増やす?   住宅の問題は、感情でなく、 現実的に考えていくことです!   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ◆ 編集後記 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:   住宅を購入しても、   住宅ローンの返済ができない!   ならない対策は?   居住するところが決まります!   人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第529号) Photo by photo ac 「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です
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よく相談いただく「お困りごと」解決集 ~3~ <保険に入る本当の理由がいまひとつわからない 編 (Thu, 09 Feb 2023)
私のところによく相談いただく 「お困りごと」、いわば みなさまの「お困りごと」についての 基本的な解決策を、 4回シリーズでお伝えしています。   その3回目の今回のテーマは、 「保険に入る本当の理由がいまひとつわからない」 です。   この記事の構成です。 ・家計と保険はつながりがある ・保険商品の特色 ・保険加入の目的 ・必要な死亡保険金額の計算方法 ・自分で保険を探さなくてもいい   ------------------------------ 家計と保険はつながりがある ------------------------------ 家計支出を見直したく、 現在加入中の保険が適切か見て欲しい。   保険に入らないといけない、 と思っているけど、 保険会社によって保険料が違うし、 どんな保険には入ったらいいのか、 教えて欲しい。 といった、相談をいただくことがあります。   ほかの相談にみえた方のなかも、 現在の家計を見直す提案の中に、 保険を見直す項目を入れることもあります。   このように、家計と保険、 もっと言えば、家計と保険料の負担は、 密接なつながりがあるといえます。   また、相談者がぽつりと、 「保険に入る本当の理由がいまひとつわからない」 言われることもあります。   そこで、なぜ保険に加入するのか、 その理由を、家計の負担を含めて、 生命保険を例に考えていきます。   ----------------- 保険商品の特色 ----------------- 保険商品とは、 貯蓄と保障を兼ね備えた金融商品です。   貯蓄の面では、 近年、銀行の預貯金に預けても 利息が、ほとんど付かない状況が続いています。   同じ金融商品である、 保険商品でも同じように、 貯蓄の機能は果たすのはむずかしい状況です。   ただ、外貨建て保険商品の中には、 収益が見込める商品もあります。   ただし、為替変動や地政学的なリスクを伴います。   なお、最近は国内でも、 長期国債の金利が上昇しているように、 今後の市場の動向を注視することも重要です。   また、保険の保障の面では、 生活をしていく上で、 万が一のことが起こったとき、 その保障を得る機能です。   保険に加入するなら、その人にとって、 保険に加入する目的に合致した、 しかも、保険料の負担が少ない 家計に優しい、 保険商品に加入すべきです。   この先は、この保険の機能について、 話を進めます。   ------------------ 保険加入の目的 ------------------ 保険に加入する目的は、   たとえば、死亡保険に加入する場合であれば、 残された遺族の生活の保障のためと、   亡くなった方の葬式や法要の費用。 事業主で、その事業を清算する費用といった 整理資金のためにです。   金額に換算していくらの保障、 つまり死亡保険金が必要かは、 実際に、計算してみることが大切です。   ---------------------------- 必要な死亡保険金額の計算方法 ---------------------------- 死亡保険金額はいくらが妥当なのか、 その計算方法は、   (1)上記のように、その方が亡くなった時、 残された子どもの教育費や生活費といった 遺族に必要な金額。   そして、亡くなった方自身の整理資金を 確認します。   (2)遺族がこれから得るであろう ・遺族基礎年金(※1)、遺族厚生年金(※2) の受給額 ・勤務先からの死亡退職金 ・亡くなった方の配偶者のこれからの収入 ・亡くなった方に子どもがいて、 またその方の親が存命で、その親からの将来、 金銭的に把握できる遺産相続があるときの金額 ・その他、家計に入ってくる根拠ある予定額   (1)-(2)=(3) (3)の金額が、必要保険金額です。   <遺族年金について> 遺族基礎年金は、子どものいる配偶者と子どもが18歳(高校を卒業するまで)。   遺族厚生年金は、厚生年金加入者の遺族が、受給の対象です。   (※1)遺族基礎年金の詳細は日本年金機構のHP遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額))」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-04.html を、参照してください。   (※2)遺族厚生年金の詳細も日本年金機構のHP 「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html を、参照してください。   ----------------------------- 自分で保険を探さなくてもいい ----------------------------- 保険商品に加入すれば、 その保険料の総額は、 家計支出の結構なウエートを占めます。   支払った保険料に見合う 保険商品に加入したいものです。   そのためには、 どの保険商品が自分に適しているのか 選ぶことが重要です。   多数の保険商品から選ぶのが難しいのであれば、 上項の(1)(2)を自身で計算しておいて、   複数の保険外交員や保険ショップで 適切な保険商品を選んでもらうのも、 ひとつの方法でしょう。   その時には、 上項の(1)(2)の計算もしてくれると思います。   その計算結果と 自身で計算した結果の違いがないか、 確認してみることです。   もし違っていれば、 その理由が明確であれば、 その保険に加入してもいいでしょう。   このように、 死亡保険を例にお話してきましたが、   保険に入る本当の理由は、 万が一のその時に、またはその時以降、   生活をしていくために、 必要な資金の足りない分を、 補ってもらうために加入する。   これが、保険に加入する理由です。   従って、家計の負担になるような、 無駄な保険商品に加入することなく、 吟味して加入することも大事なことです。     なお、このシリーズは次のように、 進めています。 1.年金の受給額に間違いはないのか(前々回) 2.退職金で住宅ローンを完済してもいいのか(前々回) 3.NISAやIDeCoと元本割れの心配(前回) 4.保険に入る本当の理由がいまひとつわからない (今回) 5.住宅は所有すべきか賃貸でいいのか(次回予定)   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:* ◆  今週のポイント *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*   保険に加入する理由は、   貯蓄と保障を兼ね備えた保険商品で、   万が一の時の準備をしておくことです!   従って、準備が整っている方には、   不要な商品かも!?   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ◆ 編集後記 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:   元来、保険は補ってほしい保障に、   保険料を負担して加入する金融商品です!   この点を理解すれば、   保険商品に入り過ぎる課題は、   なくなると思うのですが……?   FP業、20年の実感です   人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第528号) Photo by photo ac 「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です
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よく相談いただく「お困りごと」解決集 ~2~ <NISAやIDeCoの元本割れの心配 編> (Fri, 03 Feb 2023)
先回から、私のところによく相談いただく 「お困りごと」、いわば みなさまの「お困りごと」についての 基本的な解決策を、お伝えいたします。   2回目の今回は、 「NISAやIDeCoと元本割れの心配」です。   投資資金の元本割れと資産形成について 考えていきます。   この記事の構成です。 ・本来、金融商品には元本保証はない ・リスクを考慮して投資をする ・元本保証の例 ・実際のリスクとは ・リスクを許容できる尺度 ・NISAとIDeCoの特徴   ----------------------------------- 本来、金融商品には元本保証はない ----------------------------------- 金融商品の中で、投資したお金、 元本(がんぽん)分のお金が減らない保証が、 されている金融商品は、 ・銀行の預貯金 ・個人向け国債 ・一部の保険商品 など、限られています。   つまり、株式や投資信託、債券に代表される 世の中に出回っているほとんどの金融商品に、 投資するお金の元本は、 保証されてはいないのです。   ---------------------------- リスクを考慮して投資をする ---------------------------- また、金融商品にはリスクがあると、 恐れている方がいます。   金融商品でいうリスクとは、   たとえば、ある会社の株式に投資したら、 100万円の収益が上がることもあれば、 反対に、100万円の損失を出すこともある。   言い換えれば、 最大で100万円儲かるかもしれないし、 100万円損するかもしれない、   投資することの損益に、この幅の「ブレ」が、 生じる。ということです。   このリスクを考慮しないで金融商品に 投資をしないと、 収益を確保することは難しいです。   ------------------ 元本保証の例 ------------------ また、元本が保証されているということは、   たとえば、銀行の定期預金に、 毎月2万円ずつ積立て、 お金を貯めていくことを考えます。   毎月2万円ずつ貯めていけば、 ・1年間で24万円 ・10年間で240万円 ・30年間で720万円 お金が貯まっていきますし、 若干ですが利息が付きます。   この利息が年0.002%付けば、 毎月2万円ずつ積立てていくと、 ・1年間で24万3円(うち利息分3円) ・10年間で240万242円(うち利息分242円) ・30年間で720万2166円(うち利息分2166円) となり、30年間で2166円の収益を得ることができ、   この預金を積立てる資金、 つまり元本も保証されているのです。   ----------------------- 実際のリスクとは ----------------------- また、銀行に定期預金をした資金と同額の2万円を、 同じ期間リスクのある金融商品、 ある会社の株式に投資したとします。   上記の銀行の定期預金の金利の100倍、 平均年2.0%で運用できたとすると、 ・1年間で24万400円(うち収益400円) ・10年間で235万6316円(うち収益25万6316円) ・30年間で984万1497円(うち収益264万4197円) となります。   たとえば、 10年間で、25万6316円の収益が上がれば、   反対に、10年間で同じ額の25万6316円、 損するかもしれない。   このブレがリスクです。   また、前項の銀行の定期預金と比較すると、 定期預金では、利息を含めて、 10年間2万円ずつ貯めていけば、 240万円242円貯まりました。   しかし、株式に投資をすれば、 上記のように、10年間で、 25万6316円が上がる可能性もあれば、   定期預金で貯めていくより、 240万242円(定期預金残高) -25万6316円(損失の仮定額) =214万3926円   定期預金でお金を積立てていくより、 家計の資産が減る可能性のあるのです。   なお、この会社の業績が良ければ、 株式を保有している期間、 配当金も受けることができるかもしれません。   ------------------------- リスクを許容できる尺度 ------------------------- さて、このようなリスクと、 どのように向き合えばいいのでしょう。   ・そもそも、元本が割れる金融商品に、 毎月2万円ずつ投資をしても、 家計収支に問題は生じないのか?   ・なぜ、2万円という金額に決めたか、 家計から毎月2万円の出費は妥当なのか?   ・どのくらいの利回りを期待して (上記のように年2.0%)、 何年間投資を続けて、 いくら収益を得る予定か?   ・損失額は、いくらまで許容できるか?   ・損失が続き、元本を割り込む時期が続いても、 動揺しないか、 またそのときに、どのような行動がとれるか?   といった、将来にわたる家計の収支や 投資をするその方自身のメンタル、 これらの許容度の尺度を知ってから、   元本が保証されていない金融商品に 投資を始めていくことも、 損失が出た時に、 家計にも、その方のメンタルにも、 ダメージを被らないために大切なことです。   もっとも、実際の投資では、 10年以降もこの会社に投資を続けて、 株価が持ち直すこと、   また、株価が低迷し続けると、 損切りをして損失を確定して、 この会社の株式を手放すかもしれません。   とはいっても、 このような行動を行えるかは、 リスクを許容できる尺度で決めていくものです。   --------------------- NISAIDeCoの特徴 --------------------- このリスクを許容する尺度は、 家計の収支や投資の経験によって、 変わっていくものです。   そこで、投資を始める手がかりとして、 ここのところ話題に上っている、 NISAとIDeCoを利用してもいいでしょう。   最後に念のために、 すでにご存じの方もみえるとは、 思いますが、 NISAとIDeCoの特徴について確認いたします。   NISA(ニーサ:小額投資非課税制度)とは、   通常、株式や投資信託などの金融商品に投資して、 売却した時に得られる利益や配当金収益には、 約20%の所得税と住民税がかかります。   しかし「NISA口座(非課税口座)」内で、 毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から、 得られる利益や収益が非課税になる制度です。   2024年からは制度改革が予定されています。   詳細の仕組みは、金融庁のHP「NISAとは?」を https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html 参照してください。   また、IDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)とは、   掛金、運用益(定期預金、保険商品、投資信託を運用) そして給付を受け取るときに、税制優遇措置のある 私的年金な制度のことです。   詳細の仕組みは、国民年金基金連合会のHP 「iDeCoってなに?https://www.ideco-koushiki.jp/guide/ を参照してください。   ふたつの制度も、 あらかじめ定められて金融商品を運用したとき、 税制の優遇のある制度です。   しかし、一部の金融商品を除いて、 元本割れする金融商品に投資して運用します。   従って、リスクの許容度を図りながら、 元本が保証されていない金融商品に、 投資を始めるには、 利用してもいい制度だと思うのです。   --------------------------------   なお、このシリーズは次のように、 進めてまいります。 1.年金の受給額に間違いはないのか(前回) 2.退職金で住宅ローンを完済してもいいのか(前回) 3.NISAやIDeCoと元本割れの心配(今回) 4.保険に入る本当の理由がいまひとつわからない (次回以降) 5.住宅は所有すべきか賃貸でいいのか(〃)     *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:* ◆  今週のポイント *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*   リスクがもれなく付いている   金融商品に投資することは、   資産形成の基本、   としましょう!   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ◆ 編集後記 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:   資産運用をする金融商品に、   元本が保証されている金融商品は、   「ない!?」   「……!?」 人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第527号) Photo by photo ac 「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です
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よく相談いただく「お困りごと」解決集 ~1~ <年金、住宅ローン編> (Fri, 27 Jan 2023)
  私のところによく相談いただく 「お困りごと」があります。   言い換えれば、 みなさまの「お困りごと」があります。   そこで、今回から数回に分けて、 その「お困りごと」の基本的な解決策を、 お伝えいたします。   これから解決する「お困りごと」の内容は、 次のとおりです。   1.年金の受給額に間違いはないのか(今回) 2.退職金で住宅ローンを完済してもいいのか(今回) 3.NISAやIDeCoと元本割れの心配(次回以降) 4.保険に入る本当の理由がいまひとつわからない(〃) 5.住宅は所有すべきか賃貸でいいのか(〃)   それでは、はじめに 公的年金の受給額について考えます。   --------------------------------- 1.年金の受給額に間違いはないのか --------------------------------- 何歳から、「老齢基礎年金」がいくらもらえる、 受給できるのか?   加えて、厚生年金保険に加入した方は 「老齢厚生年金」は何歳から、 いくら受給できるのか?   その金額は、 毎年、誕生日の月に「日本年金機構」から、 郵送される「ねんきん定期便」で、 確認することができます。   50歳未満の方には、はがきで、 直近1年間の これまでの加入実績に応じた年金額が、   また、50歳以上の方には、 同じくはがきで、 年金見込額が届きます。   「節目の年」と呼ばれている、 35歳、45歳、59歳には、封書で、 20歳以降の全期間の国民年金保険料や (勤務先を含めた)厚生年金保険料の納付の 記録情報と、年金の受給見込額が、 届けられます。   また、「ねんきんネット」に登録しておけば、 いつでも、パソコンやスマホから、 自分の年金受給額を確認することができます。   確認した年金の受給額が、 実際に受給できる額とは違うときには、   次の2つの理由を考えることができます。   (1)以前に問題になった、年金保険料を 納付していたのに、 その記録が漏れている場合   この可能性があれば、 最寄りの「年金事務所」に相談してください。   (2)年金保険料は納付しているのに、 年金の受給額が少なく思う場合   この場合は、まずご自身が受給できる、 年金受給額を計算してみてください。   ちなみに年金の受給額は、 「老齢基礎年金」は、20歳から40年間完納すれば、 777,800円(令和4年度)受給できます。   納付していない月などがあれば、 その分減額されます。   また、「老齢厚生年金」は、下記<参考1>の 定められている数式で求めることができます・   <参考1> 日本年金機構HPより  老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20140421-01.html   年金の見込み額に間違いはなく、 老後の生活をしていくには厳しい受給額なら、 その現実を受入れて、 老後の家計収支に見合う対応策を検討して、 快適な老後が送れるように、 早急に準備を始めることが大切です。   たとえば、 老後の家計収支のシミュレーションをして 年金の繰下げ受給<参考2>を 検討してもいいでしょう。   家計収入を増やす、支出を減らすことは、 近々の検討課題と言えます。   <参考2> 日本年金機構HPより  年金の繰下げ受給 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-02.html   ------------------------------------------- 2.退職金で住宅ローンを完済してもいいのか ------------------------------------------- 次に、退職金で、 住宅ローンを完済したとき、 家計に起こることを考えてみます。   まず、退職金が入ってくれば、 貯蓄、つまり手持ちの現金が増えます。   家計収支としては、 一時的かもしれませんが、 お金が余っているといってもいい状態です   次に、老後の家計収支を考えてみます。   具体的には、これから先、 毎年、年金を中心にいくらの収入があり、 また支出があるかを予想します。   ここでは、貯蓄を取崩す生活も予想されます。   毎年の家計収支がマイナスになって、 その分を、貯蓄を取崩して、 家計が成り立っていくのであれば、   その指標として、 平均寿命男性約82歳、女性約87歳から、 少なくとも5歳以上、 男性87歳以上、女性92歳以上の、 生涯の家計収支を作成して、 貯蓄額が残っていれば、   老後の家計収支は、 今のところ、問題ないといえます。   ここまで準備をして、 退職金で住宅ローンを完済してもいいのか、 検討に入ります。   上記で作成したシミュレーションの、 退職金を収入に入れた後に、 住宅ローンの完済に必要な金額を、 支出に入れて計算してください。   その結果、 生涯の家計収支に大きな変化がなければ、 退職金で、住宅ローンを完済して、 いいかもしれません。   なお、このシミュレーションをするときは、 特に、75歳から80歳以降の貯蓄額の変化を、 注目してください。   なぜなら、住宅ローンを退職金で完済したあと、 老後の生活の破たんが起こる年齢だからです。   念のために、住宅ローンの毎月の返済額の内容を 復習しておきます。   毎月の返済額は、 元本の返済分と残債の利息分の合計です。   住宅ローンの返済当初は、   毎月の返済額のうちの多くを、 利息分を返済する割合が多いので、   繰上げ返済をすると、 元本はもちろんのこと、 利息分の返済削減の効果があります。   しかし、返済末期になれば、 毎月の返済額の内容は、 利息分はほとんど払い終えて、 元本分の返済をしていることが多いです。   つまり、退職金で完済して、 利息分の支払い額の削減効果が期待できるか?   その利息分の金額は、完済後に、 予期しないまとまったお金が必要になり、 お金を借りた時の利息の金額と、 どちらが高額になるのか?   住宅ローンを完済することで、 手元からまとまった現金がなくなります。   老後の生活では、 現役の時代に比べてお金を作ることは、 困難が予想されますので、   住宅ローンの完済に限らず、   老後の生活に入る前に、 まとまったお金を家計から支出することは、 慎重に考えることも重要です。   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:* ◆  今週のポイント *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*   お金は、急には生まれてくれません!   冷静に、現状を認識する   そして、将来の生活も冷静に認識する   生涯、お金とお付き合いするために、   たいせつなことです!   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ◆ 編集後記 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:   世間が、何を言っていようが、   まずは、ご自身の家計と   相談することです!   人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第526号) Photo by photo ac 「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です
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金融商品を年3%のリスクで20年運用した結果報告 (Fri, 20 Jan 2023)
  株式や投資信託といった金融商品には、 リスクがつきものです。   運用次第では、投資した金額(元本:がんぽん)を 下回る、元本割れを起こすことさえあります。   ただし、銀行の預貯金など、 元本が保証されている金融商品の数は、 限られていますし、現在の低利息では、 とても収益は見込めません。   従って、金融商品を運用するときに、 リスクはうまく付き合うもの、 と言ってもいいでしょう。   ところで、金融の世界でのリスクとは、 運用の結果、いくらまで収益が上がるか 反対の損失がでるか、 このブレ幅のことをいいます。   また、収益のことをリターンとも言います。   よく耳にする、 ハイリスク・ハイリターンの商品とは、 リスクの大きい分、大きなリターンも見込める、 株式などの金融商品のことです。   また、ローリスク、ローリターンと言えば、 銀行の預貯金などの商品です。   今回は、 ある会社の株式を想定利回り年3%で、 毎月20,000円ずつ積立て、 毎年見直し20年間運用した時、 しかも、その3%は、 収益ではなく損失のリスクだった場合を、 シミュレーションしてみます。   この記事の構成です。 1. シミュレーションの前提 2.  シミュレーションの結果 3. 20年間すべて収益が上がったときとの差 4. シミュレーションを振返る   ------------------------------- 1. シミュレーションの前提 ------------------------------- このシミュレーションは、 ・株式会社A社の株式を毎月2万円ずつ買付ける ・年3.0%で運用する(ただし今回は通期損失) ・4年に1回見直しをする ・複利で計算する/利息の「は数」は切捨てる ・諸税や運用にかかる手数料は考えない   このあとの項目で具体的にお話いたしますが、 毎年、年3%の損失分を差し引いた元本で、 運用を続けていきます。   --------------------------------- 2.  シミュレーションの結果 ---------------------------------- では始めていきましょう。   毎月2万円ずつ年3.0%で運用していきます。   まず、1年目で、 年利3%の損失が出る計算をします。   積立て元本は、 2万円×12ヵ月=24万円です。   24万円の年利3%は、約3908円ですので、 24万円-3,908円=236,902円。   236,902円が、毎月2万円ずつ積立てて、 年3%の損失が出た時の結果です。   2年目は、236,902円に毎月2万円を年利3%で、 複利運用していきます。   そして、1年目と同様に、 損失として、積立額から差引きます。   このような操作を毎年切り替えしていくと、 5年目の末には、 1,089,632円手元に残ります。   同様に10年目の末には、 2,020,766円です。   同様に15年目の末には、 2,835,508円となります。   そして、20年後には、 3,524,159円(1)手元に残ります。   ----------------------------------------- 3. 20年間すべて収益が上がったときとの差 ----------------------------------------- 20年の間、毎月2万円ずつ、 年利3%で運用できたとすると、 6,553,211円(2)手元に残ります。   ちなみに、 毎月2万円ずつ20年間積立てるだけだと、 4,800,000万円(3)です。   ----------------------------- 4. シミュレーションを振返る ----------------------------- (1)と(3)の差は、1,275,841円です。   単に、銀行に預金しておいた方が、 20年間で、約127万円損失を、 免れることができたといえます。   また、(2)と(3)の差は、1,753,211円です。   上記とは反対に、銀行に預金しておくより 年3%で運用した方が、 20年間で、約175万円収益が上がるといえます。   ただ、収益は課税の対象になります。 もし、所得税や住民税で約20%課税されると、 175万円の20%は35万円で、 175万円-35万=140万円(4)が納税後の収益です。   20年間、常に、損失や収益が上がるだけの 一方的な運用をすることは、 現実的は考え辛いことです。   ということは、 ご自身の資産運用の考え方や 収入などの客観的な家計の環境から、 リスクの許容度として(1)から(4)の範囲を 容認することができれば、   特色の違う複数の金融商品で運用していくことで、 市場の動向にもよりますが、 さほど、元本割れのリスクを懸念することなく、 運用を楽しむことは可能だ、と思うのです。   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:* ◆  今週のポイント *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*   金融資産運用も、   頭で考えているだけではなく、   できる範囲で行動してみれば、   損するリスクではなく、   収益が上がる方のリスクを、   味方につけることができます!     *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ◆ 編集後記 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:   お金は、   噛みつかれることはありません!   しかし、お金は、   優しくもありません!   人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第525号) Photo by photo ac 「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です
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変動金利での住宅ローン返済 ~「5年125%ルール」で返済額を検証~ (Fri, 13 Jan 2023)
  住宅ローンを変動金利で返済中、 返済利率が上昇すれば、 その分毎月の返済額も高くなります。   ただし、「5年125%ルール」で、 金利の上昇で返済額が急騰することを 抑える規定を採用している金融機関もあります。   今回は、実際に金利が125%上昇すると、 返済額がどのくらい高くなるのか、 計算してみます。   この記事の構成です。 1. 5年125%ルールとは 2. 125%ルールで返済利息の上昇を計算 3. 未払利息が発生するかも 4. 5年125%ルールのない商品もある   --------------------------- 1. 5年125%ルールとは ---------------------------- 5年125%ルールとは、 毎月の返済額は一定の元利均等返済で、 金利は変動する住宅ローン商品で、 返済するときに適応されるルールです。   そもそも、住宅ローンの金利は、 多くの金融機関では、 半年に1回見直しがされています。   しかし、その都度、 返済の金利に反映されるのではありません。 5年間は、毎月の返済額一定で、 6年目から変わる、 「5年ルール」が定められています。   また、返済金利が上昇した時に、 その返済額の上限は現在の返済額の125%まで、 つまり、1.25倍までしか上げることができない 「125%ルール」が定められています。   --------------------------------------------- 2. 125%ルールで返済利息の上昇を計算 --------------------------------------------- では、実際に125%ルールを適用して、 返済利息の上昇を計算してみます。   たとえば、次のような住宅ローンで、 住宅を購入した資金の借入金を返済するとします。 ・借入金:3000万円 ・返済金利:変動金利(当初の金利0.3%/年) ・返済期間:35年 といった条件で、返済額の計算をしてみました。   その結果、 返済1年目(1回目)から5年目(60回目)の 毎月の返済額は、75,253円です。   この返済中の5年間に金利が上昇して、 6年目からは、利息を年2.0%で、 返済する水準になったとします。   すると、毎月の返済額は95,749円です。   しかし、これまでの1年目から5年間の 毎月の返済額は75,253円でした。   125%ルールに従えば、 75,253円×1.25倍=94,066円 94,066円が毎月の返済額の上限です。   従って、61回目から5年間は、 1.25倍ルールに従って、 毎月94,066円返済していくことになります。   また、この返済額の返済金利は 年利約1.86%です。   年2.0%の金利で返済するところを、 年1.86%の金利で返済する差額です。   この金利差分は、 11年目以降の返済額に反映されるか、 次の項の「未払利息」として いずれにしても返済していきます。   毎月の返済額の上昇は、家計にも影響します。   当初の5年間と6年目からの5年間で、 年間の返済額は、 (94,066-75,253)×12ヵ月=225,756 毎年、225,756円ずつ増加します。   ちなみに、 11年目(121回)から15年目(180回目)も、 金利が1.25倍まで上昇したとします。   毎月の返済額94,066円は、117,582円になります。   年間の返済額は、 (117,582-94,066)×12ヵ月=282,192 毎年282,192円ずつ増加します。 返済金利は、 年利約1.86%から約3.89%に上昇します。   また、返済当初の返済額より 毎月(117,582-75,153)=42,429 机上の数字ではありますが、 毎月の返済額が42,429円高くなります。   ------------------------------ 3.未払利息が発生するかも ------------------------------ 毎月の返済額の中身は、 借入金の元本の返済と返済利息の支払いです。   返済金利が上昇すれば、 返済利息も上昇しますが、125%ルールで、 毎月の返済額の上昇は定められています。   そのため、極端な場合、 毎月の返済額のすべてが利息の返済となり、 元本の返済が進まない状況も生じかねません。   もし、元本分の返済ができなかった時、 その元本に対して利息がつきます。 その利息を、未払利息といいます。   通常は、返済終了時に未払利息を含めて、 完済することになっています。   ------------------------------------------- 4. 5年125%ルールのない商品もある ------------------------------------------- 変動金利の住宅ローン商品すべてに、 5年125%ルールがあるとは限りません。   金利の上昇がすぐに返済金利に反映する、 住宅ローン商品もあります。   住宅ローンの返済は、 家計支出の大きなウエートを占めています。   特に、変動金利で住宅ローンを返済するときは、 住宅ローンの借換えや繰上げ返済、 また、家計支出のより一層の節約、 といった対策も必要でしょう。   *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:* ◆  今週のポイント *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*   住宅ローンの返済中は、   市場金利や返済金利の動向を   絶えず注目する習慣が大切です!     *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ◆ 編集後記 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:   住宅ローンは、   固定金利の方がいいのか?   変動金利の方がいいのか?   どちらも一長一短!   収入や家族の構成などでも変わります!   人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第524号) Photo by photo ac 「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です
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